ご当地ネームの宝庫! 世界の空に点在する「ウェイポイント」とは?
2025.03.13「コックピット日記」は会員誌『AGORA』から続く、JAL機長によるエッセイです。
5人の機長が毎回交替で、パイロットや航空機に関する話などをお届けします。
今月は、ボーイング787型機機長の今野隆太が担当します。

ボーイング787型機。
私たちパイロットは、安全で快適なフライトを実現するため、あらかじめその便に最適な飛行ルートを計画して運航しています。飛行ルートの道標となるのが、「航空路」と「ウェイポイント」です。
航空路とウェイポイントは、鉄道の「路線」と「駅」の関係にとても似ています。例えば、先日私が乗務した羽田空港から台北松山空港に向かうフライトでは、以下の飛行ルートが採用されることがあります。
「PIGOK」→「Y50」→「IGMON」→「A1」→「DRAKE」
アルファベット5文字で表記されるのがウェイポイント(駅)で、アルファベットと数字の組み合わせで表されるのが航空路(路線)です。つまり、この飛行ルートでは、PIGOK駅からY50路線に乗ってIGMON駅でA1路線に乗り換え、DRAKE駅に向かうことになります。
国土交通省が設定するウェイポイントは、日本の領空だけでも1,000以上あるといわれています。「INUBO(犬吠埼)」や「KAMAT(蒲田)」など地名にちなんだものも多いですが、中にはその土地ならではのユニークなポイントも多数あります。