【クアラルンプール近郊】 絶景の茶畑をのぞむ、高原リゾートへ〜涼しい熱帯、"マレーシアの軽井沢"とは?〜
2024.02.27南国でも涼しく過ごせるキャメロンハイランドは、"マレーシアの軽井沢"と称される人気の旅先。茶畑の絶景を堪能し、コロニアル調の優雅なリゾートホテルに滞在。クアラルンプールから車で約4時間の避暑地へ出かけてみよう。


ダイナミックな美しさ、BOH TEAの茶畑。
「涼しい熱帯」に広がる雄大な茶畑へ
クアラルンプールから北へ、車で約4時間。高速道路を抜けて曲がりくねった山道を上っていくと、"マレーシアの軽井沢"と称されるキャメロンハイランドにたどり着く。標高約1,500m以上に位置するこの土地は、1年を通して15℃から24℃という冷涼な気候。「涼しい熱帯」とも呼ばれる高原地帯だ。
その地名は、19世紀、英国統治下で地形の調査に派遣されたウィリアム・キャメロンに由来する。1920年代には、ジャングルの山々が紅茶のプランテーションとして開拓され、英国人の避暑地としても賑わった。緑の高原には、ゴルフ場やチューダー様式の建物が点在し、今も植民地時代の面影を残している。
キャメロンハイランドの大きな魅力は、緑豊かなティープランテーション。うねるような丘陵地を埋め尽くす一面の茶畑は、なんとも壮観。高原には2社5カ所のプランテーションがあるが、絶景と充実した施設で最も人気があるのが「スンガイ パラス ティーガーデン」だ。

テラスからパノラミックな茶畑を一望。BOHは、武夷(ぶい)丘陵とも呼ばれる福建省の丘「ボヘア」に由来。
BOHと呼びならわされるボーティー社は、2024年で創立95年。未開のジャングルをマレーシアで初めて茶畑に生まれ変わらせたのが、英国人ジョン・アーチボルド・ラッセルだった。現在は、3代目が最高経営責任者を務めるマレーシア最大の紅茶製造会社で、国内の約7割の紅茶を生産している。
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2代目トリスタン・ラッセルが命名した「トリスタン テラス」は、2019年に拡張された施設。マレーシアと西洋の軽食や各種のお茶を楽しめる。
プランテーションのビジターセンターにカフェが併設された「スンガイ パラス ティーガーデン」では、絶景の茶畑を眺め、製茶の歴史を知ることができる。主力ブランドの「キャメロニアン ゴールドブレンド」は、マレー半島を縦断する豪華列車イースタン&オリエンタル・エクスプレスにも選ばれた紅茶で、世界的なアワードも受賞している。

緑のビロードを敷きつめたような茶畑の斜面。専用の刈り取り鋏で、1年に3〜4回ある収穫時期に新芽をサクサクと刈り取っていく。
ここでは、古くから稼働している機械を備えたファクトリーで、昔ながらの製造工程を見学するのをお忘れなく。芳しい香りに満たされた館内で、紅茶作りの歴史と現場を実感してみたい。ボーティー製品のすべてが揃うショップも併設されている。


無料のファクトリーツアーでは、まず紅茶の製法や種類を説明。スタッフのサンギータ ヴァステヴァンさんの母親もこのプランテーションで働いていたとか。
あまり知られていないが、スンガイ パラス ティーガーデンでは、ティーテイスティングができる。賑やかなテラスとは打って変わって、専用のプライベートな空間で寛ぎながら、代表的な5〜8種の紅茶をテイスティング。
キャメロニアン ゴールドブレンドは、濃いめの色合いでまろやかな風味。限定された茶畑でのみ栽培されるシングルオリジンの紅茶は、それぞれの色や風味が際立つ。ライム&ジンジャーのフレーバーティーや緑茶などもあり、ボーティー製品のラインナップを味わえる貴重な体験だ。

ティーテイスティングには、茶畑を眺められる特別室を利用。5種のティーテイスティングとファクトリーツアーなら、約30分。 1名/40リンギット。2名から。電話かメールで要予約。


テイスティングは、まずは茶葉の香りを楽しみ、色を愛でて、ティースプーンですくったお茶を小さな茶器で舌の上で転がすように味わおう。


近年お目見えした産地限定シングルオリジンのシリーズ「BOHガーデンティーズ」。BOHの直売店のみでの販売。ここスンガイ パラスで生産された「パラ・シュープリーム」(左/30リンギット)は、高原を舞う蝶のデザイン。キャメロンハイランドは蝶の種類の多さでも知られている。
Sungei Palas Tea Garden
- 39100 Brinchang, Cameron Highlands
- +605 491 3788
- 営業時間 8:30〜16:30(火〜日曜)
- https://bohtea.com/visit-our-tea-gardens/sungei-palas-tea-garden/
茶畑を眺めながらプライベートなピクニック
茶畑での時間をもっと贅沢に、プライベートで楽しめるのが、キャメロン ハイランズ リゾートがゲスト向けに提供している「シグネチャー・ピクニック・エクスペリエンス」だ。
朝9時半にホテルを出発した車は、スンガイ パラス ティーガーデン方面へ。細い山道の左右に広がる茶畑を眺めながら、より深い森の方面へと入っていく。すると、小高い丘の上、自分たちだけのためのピクニックセットが準備されているのだ。

ボーティーのティープランテーションの一画で、キャメロン ハイランズ リゾートが特別に提供するピクニック。
目の前に広がるのは、見渡す限り建物が一つもない緑のティープランテーション。木陰に腰を下ろすと、聞こえてくるのは鳥のさえずりだけ。心地よい風が吹き抜けていき、蝶々が近くに飛んでくることもある。