70年前はフライト18時間以上! 常夏の島ハワイへ、パイロット目線で綴る空の旅
2024.03.13「コックピット日記」は会員誌『AGORA』から続く、JAL機長によるエッセイです。5人の機長が毎回交替で、パイロットや航空機に関する話などをお届けします。
今月はボーイング787型機機長の今野隆太が担当。


ボーイング787型機。
JALが国際線を就航してから、今年で70周年を迎えました。国際線初便は1954年2月2日の東京(羽田)〜ホノルル〜サンフランシスコ線で、機材はプロペラ機のダグラスDC-6B型機。羽田~ホノルルの飛行時間は、給油のために北太平洋にぽつんと浮かぶウェーキ島を経由した時間を含めると、18時間以上もかかったそうです。
それから70年を経た現在は、ジェット旅客機にて羽田〜ホノルルを行きは約7~8時間、帰りは約8~9時間で結んでいます。国際線の歴史をともに歩んできたハワイ線は、JALにとって特別な思いがあります。今回は皆さまにハワイを身近に感じていただけるよう、3月の21時55分羽田発ホノルル行き(JL72便)の様子をお伝えします。
時刻は21時55分、JL72便は定刻どおりに羽田を出発。離陸してから約1時間後には、機内食の提供が始まります。そして0時を過ぎると窓のシェードが閉じられ照明も暗くなり、機内は就寝時間へ。ちなみにボーイング787型機は電子シェードのため窓自体が暗くなります。
飛行機は出発から4時間少々で日付変更線を通過し、日付は一日逆戻り。そこから30分もすれば、コックピットの正面には鮮烈な朝日が昇ってきます。
航路によっては、ミッドウェー島からハワイまでエメラルドグリーンに輝くサンゴ礁の島々をご覧いただけます。