【ボーイング767型機】就航40周年!ベテランパイロットが語る、JALの歴史を支えた主力機の魅力
2025.12.15JAL機長にインタビューし、操縦する愛機の魅力とそれに向き合う姿勢を聞くコラム連載。飛行機の特性や操縦の魅力を通して、空を飛ぶ仕事の奥深さをお届けします。
澤田龍太郎
2004年入社。2008年、767型機でパイロットデビュー。以降、787型機の乗務を経て2023年に767型機の機長に昇格。パイロット経歴の大半が767型機と共にある。
グラスコックピットの先駆けながらアナログの要素も残す名機
2025年11月に、JAL就航40周年を迎えたボーイング767型機。現在、767型機の機長として国内、国際線の旅客便の他に貨物便の乗務も務める澤田龍太郎は、同機でパイロットデビューを果たしたという、767型機と縁の深いベテランパイロットです。
「私は2004年に入社したため、JALにおける767型機の歴史と比べれば、半分くらいのキャリアということになります。入社後、訓練を経て2008年にパイロットデビューしたのですが、初乗務は767-300でした。当時は767-300ERは導入からさほど年月が経っていませんでした(300ERのJAL初導入は2002年)。つまり私のデビュー当時は、まだまだ767型機が“新鋭”の部類だったのです」
ちなみに、澤田が767型機の次に乗務した787型機がJALに初導入されたのは2012年のこと。767型機といえば、デジタルディスプレイに各種情報を集約表示する「グラスコックピット」を導入した初期の機体として知られていますが、やはり787型機と比べれば、コックピットの様子もだいぶ異なるそうです。
「わかりやすい例を挙げるならば、スイッチ類のランプですね。787型機を含め新しい機体ではLEDを採用していますが、767型機のランプは大半が電球なんです。そのため、スイッチ類を触る際に多少の“熱さ”を感じることもありますし、コックピット内の温度も高くなりがちです。また、グラスコックピットが導入されているとはいえ、アナログの計器がたくさん残っている点も、767型機のコックピットならではの風景といえるでしょう。自動車に例えるなら、いわゆる“クラシックカー”のような雰囲気があると思います」
“操縦する楽しさ”を感じるコックピット。旧型機ならではのメリットも
就航から40年の歳月を経た767型機ですが、機体を操るパイロットにとっては新鋭機にない魅力があるともいいます。




