【ボーイング737型機】機体の個性を生かし心掛ける“温かみ”のあるサービス
2026.04.13JAL機長にインタビューし、操縦する愛機の魅力とそれに向き合う姿勢を聞くコラム連載。飛行機の特性や操縦の魅力を通して、空を飛ぶ仕事の奥深さをお届けします。
山浦禎一
運航本部737運航乗員部 機長。一般社団法人 折り紙ヒコーキ協会認定 JAL折り紙ヒコーキ主任指導員。1991年日本エアシステム(現 日本航空)入社。1993年、マクドネル・ダグラスMD-87型機で副操縦士として乗務を開始。2003年に機長昇格後、2016年からボーイング737型機に乗務。北海道弁を交えたユニークなアナウンスで乗客から親しまれる名物機長として知られる。
小型機だからこそ感じることができる、お客さまとの“近さ”を大切に
1967年の初飛行以来、全世界で1万5,000機以上の受注を記録した、小型ジェット旅客機のベストセラーシリーズであるボーイング737型機。JALグループでは現在「ネクストジェネレーション」と呼ばれる、同シリーズの第3世代型機にあたるボーイング737-800型機を、国内線と国際線の両方で運用しています。今回ご紹介する737型機機長の山浦禎一は、2016年から同機に乗務し、北海道弁をつかったユニークな機内アナウンスで知られるベテランパイロットです。
「私のキャリアは、1991年に入社した日本エアシステム(現 日本航空)で始まりました。パイロットデビューは1993年のこと。最初に乗務したのは、T字尾翼が特徴的だったマクドネル・ダグラスMD-87型機です。2003年に機長へ昇格した際には、同じくマクドネル・ダグラス社製のMD-90型機に乗務していました。その後は、エンブラエル170型機や同190型機の乗務も経験しています」
ボーイング737型機機長 山浦禎一
山浦がボーイング737型機に移行したのは、2016年のこと。それまでに乗務していたのも小型機に分類される機体だったことから、移行に際し苦労することはなかったといいます。
「それまでに乗務した機体とコックピットの高さがほぼ同じ、つまりパイロットの視点が同じなので、特に着陸の感覚がほぼ変わらなかったのがよかったですね。大型機の乗務経験がないので比較はできないのですが、737型機に限らず小型機は、どの機体も応答性が良く、意図したとおりに動いてくれる操縦性の高さが、パイロットとして魅力だと思っています。魅力といえば、お客さまとの“物理的な距離の近さ”も小型機ならではの魅力ですね。ボーディングブリッジをつかう場合でもタラップをつかう場合でも、搭乗されるお客さまの様子をコックピットから拝見することができるんです」
ユーモラスな機内アナウンスに込められた思いとは?
この発言からもわかるように、搭乗されるお客さまに寄り添う気持ちが人一倍強い山浦。その姿勢を象徴するのが、さまざまなメディアでも話題となった、出身地である北海道の言葉を交えたユーモラスな内容の機内アナウンスです。
「現在乗務している737型機(国内線仕様機)には、機内Wi-Fiサービスによるビデオプログラム配信はございますが、座席モニター等のエンターテインメントシステムは搭載されていません。そこで、機長としてフライト中のお客さまが少しでも楽しめるようなサービスをご提供できないかと、以前から考えていました。北海道弁を機内アナウンスに取り入れたら面白いのでは? と思ったのは、地元の仲間が集まる同窓会での会話がきっかけです。例えば、標準語なら『心地よくお過ごしください』と言うところを、『あずましく(北海道弁で“心地よい”の意)お過ごしください』とすれば、北海道出身の方には親しみを感じていただけますし、そうでない方にも興味を持っていただけるのではないかと思いました」





