No.01 つかい込むほど「アジ」が出るアルミスーツケース
2025.08.14

旅先ではあらゆるストレスをできるだけ減らしたい。だから旅に「何を持っていくか」は「どこへ行くか」と同じくらい重要だ。また、せっかく手に入れるのであれば長年愛用できる逸品だと嬉しい。ここでは、それらの条件を満たすマスターピースを「究極の三択」として紹介していく。
第1回となる今回は「スーツケース」をピックアップ。つかわなくなったら処分に困り、いくつも買い足せば自宅での収納にも苦労する。果たして、スーツケースはどう選ぶのが正解なのか? 今回は、長くつかえるアルミボディのモデルにフォーカスして紹介したい。
スーツケースの素材には今、さまざまな選択肢がある。
軽量性に優れるポリプロピレン、荷物にあわせて形状を変えられるターポリン、コストを抑えたいならABS樹脂など、それぞれ得られるメリットは違う。しかし共通するのはどれも石油由来で、「末永く付き合う」という観点では少々不安が残る。
一方アルミは劣化に強く、とにかくタフ。人類が初めて月の石を地球に持ち帰った際のケースもアルミ製であったし、傷すら味わいに変わる経年変化の美しさは唯一無二。さらにハイクラスな質感は、まさに大人の旅のおともにふさわしい。
では、どんなブランドのアルミ製スーツケースを選べばいいのか。その歴史が信頼の証となる3つの名門のヘリテージを感じるモデルで、究極の三択をご紹介したい。
アルミ製スーツケースといえばコレ。生涯保証が裏付けるクオリティ
~RIMOWA~

オリジナル「チェックインM」60L H69×W44×27.5cm 258,500円
アルミのスーツケースといえば、まず名前が挙がる一つが「リモワ(RIMOWA)」。堅牢性を上げるために設けられた縦の溝(グルーヴ)が象徴で、機能性とアイコニックな美しさを両立。無駄を削ぎ落とした設計思想が時代を超えて愛される名門ブランドだ。
創業は1898年、ドイツ・ケルン。当初はレザー製トランクを製造していたが、時代の変化と共に新素材を積極的に導入。今から100年以上前にはアルミの採用を始めている。

ブランドのアーカイブに残っている1950年代のスーツケース。
そして、今に続くグルーヴ入りのアルミ製スーツケースが誕生したのは1950年。アーカイブに保存されている当時の商品を見ると現在もほとんどデザインが変わっておらず、この事実こそ、長く付き合えるマスターピースの証といえるだろう。
今、アルミボディのスーツケースには「クラシック」と「オリジナル」という2つのモデルがある。前者は、より直線的なデザインでハンドルなどにレザーを採用。その名のとおりより“クラシック”な印象で、後者は軽量なパーツをつかいながら丸みのあるフォルムで、よりモダンな印象に仕上げている点が特徴。いわばブランドのフラッグシップと言えるモデルだ。

「クラシック」トランク 354,200円 75×47×36cm 100L

「オリジナル」トランク 342,100円 73×44×36.5cm 90L
「クラシック」についてはカスタマイズができ、ラゲッジタグと、ハンドルのレザーパーツ、ホイールの色を変えられる。伝統的なアイテムに明るめの色味を挿してポップに彩る楽しみは特別だ。


カスタマイズはECサイトでも対応。360度クルクル回転させながらカスタムするのが楽しい。
「オリジナル」はモデルによって複数のボディカラーが用意されている。定番のシルバーやブラックならマニッシュに、チタニウムやブロンズブラウンは上質な気品も漂う。旅行時によく着るファッションにあわせて選ぶのもいいかもしれない。



1週間程度の家族旅行で重宝する86L(79×51×27.5cm)の「オリジナル チェックインL」はシルバーのほか、チタニウム、ブロンズブラウン、ブラックを展開する。281,600円
またリモワは、自社のアルミ製スーツケースを回収し、メンテナンスしてから新たな持ち主へと手渡す「RE-CRAFTED」プロジェクトを2023年から実施している。

このスーツケースが旅してきた歴史をそのままに楽しめる。
これもまた、普遍のデザインと耐久性、そしてクラフトマンシップを持つブランドだからできること。アルミボディの経年変化は唯一無二の味わいで、リモワを長くつかうことの喜びを教えてくれる。