コックピットにキーボード!? 連載初登場の機長が語るエアバスA350型機の特徴
2025.02.27「コックピット日記」は会員誌『AGORA』から続く、JAL機長によるエッセイです。
5人の機長が毎回交替で、パイロットや飛行機に関する話などをお届けします。
今月の担当は、エアバスA350型機機長の堀健太郎です。

エアバスA350型機のコックピット。
はじめまして。今月から「コックピット日記」を担当する、エアバスA350型機機長の堀健太郎と申します。今回は自己紹介も兼ねて、私が搭乗してきた飛行機についてお話ししたいと思います。
幼い頃から飛行機や空が大好きだった私が、日本航空に入社したのは2004年のこと。訓練を経てパイロットとしてチェックアウト(副操縦士昇格)したのは2008年でした。
最初に副操縦士として搭乗したのが、ボーイング777型機です。ボーイング777型機は、私にとって子どもの頃からの憧れの飛行機でした。均整の取れた美しいフォルムや、堅牢な機体の重厚感、コックピットに並ぶスイッチ類の押し心地……。ボーイング777型機は、今でも個人的に大好きな飛行機です。
2012年からはボーイング787型機に、2019年からはエアバスA350型機に乗務することになりました。当時のエアバスA350型機(A350-900)は、国内路線のみの運用。羽田、福岡、新千歳、那覇などを結ぶ国内路線は、1日3レグ(区間)が基本です。日々、数多くのフライトに乗務したことはパイロットとしての大きな経験となり、2023年には機長に昇格することができました。
エアバスA350型機に乗務するようになって感じたのは、同じ飛行機であってもメーカーによって機体の設計や操縦の仕方が全く違うということでした。