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コックピット日記

最新の設計思想が叶える安全。A350型機コックピットに、6枚も液晶パネルがある理由とは

2025.07.28

「コックピット日記」は毎回、機長がパイロットや飛行機に関する航空豆知識を、実体験を交えてご紹介します。今月の担当はエアバスA350型機機長の瀬川武史です。

エアバスA350型機のコックピットには、5枚横並び+中央が上下2枚の構成でディスプレイが配置されている。

エアバスA350型機は、JALが誇る最新の旗艦機です。数多くの先進技術が搭載されており、初めてご利用のお客さまはきっと感動していただけることでしょう。液晶ディスプレイに囲まれたコックピットを初めて目にしたとき、パイロットである私自身も、果たしてどうやって操縦するのか……と驚いたことを覚えています。15 インチのLCD DU(Display Unit)がずらりと並んで光り、最新鋭機ならではのテクノロジーが視界いっぱいに広がる──そんな風景は、かつて、小さなブラウン管で緑一色の文字を追っていたころとは別次元の進化といえます。

「ディスプレイが6枚も必要なのか?」と思われるかもしれませんが、その理由の一つとしてRedundancy(リダンダンシー・冗長性)が挙げられます。パイロットが必要な情報は多岐にわたります。また、同じタイミングでさまざまな情報を同時に見る必要もあります。ですから、複数のディスプレイが見やすい場所に配置されていることは、とても重要になるのです。さらに、これらのディスプレイはすべて同じ仕様となっていて、メンテナンス性の向上や導入コストを抑えることにも一役買っています。

ディスプレイ配置イメージ。

上部写真の「CAPTAIN INNER」と「F/O INNER」(中央のディスプレイを左右に挟む位置)にはPFD(Primary Flight Display)とND(Navigation Display)が表示され、色彩表現も豊かです。例えば、通常の情報やメモはグリーン、注意喚起はアンバー、特定のメモはマゼンタと、色彩にはそれぞれ意味が与えられていて、瞬時に状況を理解することができます。また、「CENTER UPPER」(上の写真、中央上部)にはED(Engine Display)やSD(System Display)、ECAM(Electronic Centralized Aircraft Monitor)が、そして「CENTER LOWER」(同、中央下部)には主にFMS(Flight Management System)やチェックリストが表示され、万が一機体やシステムに不具合が発生した際は、該当図と対処手順が自動で現れ、次の作業手順を示してくれます。

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